八事山の自然

興正寺は山号を「八事山やごとさん」とするように、「八事のお山」と親しまれてきました。
三百余年変わらない、八事の森を歩いてみませんか。
新緑の香り、美しい花の香り、鳥のさえずり、水の輝き、色のない風景…、
そこに、線香の薫り、読経の声、そこから馳せる人々の想いが折りあい、
心満ちゆくひとときに出会えることでしょう。

春

吹く風に新しい命の息吹を感じ
その眼差しが巡り来る命を探す
道の脇、枯れたような枝先、
人の歩み、そして仏の座する処。
山の全てに光が宿る春

夏

蝉時雨をかいくぐり、降り注ぐ日差しを全身に浴び、
むせ返るような緑香の洪水の中を、鳥の声を頼りに泳ぐ。
木陰の涼に仏の笑顔を見つけられる山の夏

秋

一番似合う晴れ着を、自然は自ずと選んで身に纏う。
それぞれの装いを競いながら
眠りの前の挨拶を交わし合う。
至る所で出会う豊かな恵みの味わいに、名残が尽きない山の秋

冬

北風の厳しさに身を凍らせ、空の高さに世界の広さを思う。
日差しが優しさを、降る雪がすがしさを、眠りについた地へ届ける
山の冬は幼子の、期待に満ちた夢を届ける

興正寺をより楽しみ、理解を深める
境内ガイドを承っております。